『笹舟』のこと
2024年2月21日水曜日
ずっと話したかったんだけど話す暇なくて、ていうか今も本当にそれどころではないんだけど話したくなってしまったので話させてください。『笹舟』お手に取ってくださった方ありがとうございました!VDシナリオ見た?わたしは全然進められてなくて、まだ社長と馬琴さんのシナリオしか読めてないんだけど社長はなんなんだ? 面白・・・・ 馬琴さんは癒された~VDはこうであってほしい、癒しです、必要なのは。
てか利休駒姫のVDシナリオでマスターが添えもの(経験値先生のシナリオでマスターは大体添えものというか、ただいるだけの人なのが好きで、そして最後凡人代表として引っ張り出されるのも割と好き、そばにいるだけでキツい人たちのそばに凡人のままそばに居続けることの狂気)なんマジで好き、利休駒姫がイチャつくための装置たれ。
『笹舟』のこと
寄稿
恋々さんと夏インテで会ったときに無茶言って寄稿お願いしたんだけど本当に良かった………お願いできて……………夏インテからスパークまでは大体三カ月くらいしかなくて、これ準備するの本当に大変でもう無理だなと思うんだけど、本当に本当にお願いできてよかった。
恋々さん!!!!(https://twitter.com/inoriyurushi)
恋々さんの生首・駒姫の眉が下がった笑みが可愛くて、見た瞬間涙ツーーー…なってました。駒姫の「><」とか娘らしく好きに振る舞っているように見せて、主導権を持つ利休が彼女の”自由な”振る舞いを許している、という、そこらへんを漂うひとつでしかなかった駒姫と、それをひっ捕まえた利休という力量差に萌え萌えで…。
駒姫の愛嬌と利休の茶目っ気で隠しきるには厳しいバーサーカークラスという霊基のほころびを、こんなカルデアとかいう箱庭で見せてもろて…感謝しかな~い!ていうか利休の起点が怒りなのを、そういうクイック爺なのが茶々様相手(マジ!?)で見られるの、この母で、女で、しかし上司の妻で、中世世界観の延長で召喚したのを読み取れる利休がこの女と対峙してうっすら軽蔑の冷えた目で対峙するところすごいよかった。
破綻しているかといえば最初から破綻していて、その破綻した利休の輪郭に合わせて駒姫は形成された。利休は壊れているけど、駒姫を壊さないようにする技量があったし、残酷さも情も利休の匙加減だっということ(乱暴な解釈)、嬉しい、ありがとうございます。
本文
起点が「駒姫を取り込んでガワ被って同じ霊基になるときに、駒姫を潰さないよう、真っ暗な場所で大きな体を小さく小さく縮めようとする利休が見たい」でした。その片鱗は「松葉」の泥のところしかないです。大きな体を縮める利休を冒頭に置いたら話がなんも進まなかったから…
恋々さんが描いてくれた利休駒姫は、とっくに割れたガラスをつぎはぎで輪郭ばかりは立派な器に見せて、でも周囲には使おうとすれば肌にあたって傷つける、とっくに粉々だというのは見抜かれている、でも当人たちにとってはふたりで器の形をつくっていることが大事で、ほかはどうでもいいのだ。
みたいな、ふたりで完結する愛を感じるのですが、わたしが描いた利休駒姫もまた破れ鍋にとじ蓋的な…そうでありながらそれでも器のふりを続ける図太さというか、周囲と並び立とうと努める蠕動があるように思っていました。まあ私の漫画ではカルデアのカの字も出てこないけど…わたしはこの方向性の違いを心底楽しんでいます。同人誌って自由!
今回、駒姫が利休に取り込まれる最中で自分の死を思いかえすという流れがあって、駒姫も利休も残酷な仕打ちを受けた・怒るに値するというふたりが共有する世界を同人誌にできたらと思ったけど、残酷なシーンを描きたいわけではなかったから難しかった。
恋々さんに処刑の部分が思ったより長かったと言われてウケたけど、決定的に残酷な描写を避けてひどい仕打ちがあったということを言おうとしたら長くなってしまった。
笹舟は、本文でいったように駒姫の身を例えていて、軽く小さな彼女の身を運ぶのは激動の世の流れであり、この境の地では利休そのものです(という妄想です)。過去、利休もまた流れに翻弄される舟にすぎなかったけど。でも怒りと憎しみで、もう境界の地からほかのどこへはいけない利休と出会って、その怒りを少しでも笹舟の身で背に載せて一緒に運べたら利休もまた先へ進めるかもしれない、みたいな。駒姫の優しさと身の儚さをあらわすのにぴったりな言葉じゃないかな!? かなり気に入ってるタイトルです。
松葉は二本の葉の元がしっかりと繋がり、離れ離れになることのないという意味があるらしく(参考URL)、かなりわたくしの願望が色濃くでた…首・腹で切断に縁深いふたりだけど、同じ霊基としてこの縁は分かちがたくあってほしいという…話になっちゃいました。ふたりをCPとして描いた本ではないのですが、CPの波動を感じるという感想をいただいてドキ…てなった。そうね。VDでマスターそっちのけでイチャついた責任とってずっと一緒にいてください。
(追記 2024/02/22)
利休駒姫の間には圧倒的な力の差があるけど、利休はただ搾取することもできたはずなのにきっと己の腹の底まで駒姫に明かした。駒姫はそれに抗うすべを持ってはなかったけど理解して受け入れた。という流れがあって今のあの慈しみあうような関係があるのだと思ってます。
より強い権力者のまえでむなしく死んだこと、軽んじられた命という点で駒姫も利休も同じで対等という起点があって、それから「怒ってくれた」への嬉しさがあるんだろうけど、「見つけてくれた(見つけてもらえなかったら、きっと見つけてもらえないことに気づかないくらいぼんやりした存在だったかも)」への嬉しさもあってほしい。そして器用な男かと思えば、利用するという娘に腹の底まで見せるような情の傾け方とか(でもその開示すらまた策の一つか、もうなりふり構っていられないだけかは側から見る人間の匙加減かも)。駒姫のこの人ほっとけないを刺激するような利休とのはじまりがあってほしい。
駒姫の利休への甘えって大体利休との間で完結するけど、利休て駒姫含め迷惑を周囲に振り撒くことがあり(ありそう)、手足のリーチの差みたいなん感じない?大男のリーチで動く利休とお姫様やる駒姫の不一致と歩み寄り滅茶苦茶かわいいな。
装丁
当はこの表紙をスパークに持っていきたかったけど、特殊装丁が間に合わなかったので別口で表紙を用意しなきゃで大変だった。。スパークの表紙は手を繋いでるけど表裏で切断される、歪みを抱えた状態を正常とするふたりを表現できないかな~と思って選んだ構図でした。結構気に入ってます。目を伏せた駒姫を表紙にするのは大胆かなと思ったけど、利休と手を繋いだ今に安心した様子を出したかった。裏表紙の利休が表紙の駒姫にやさしい目を向ける構図も矛盾していて、気づく人はまあいないと思うけど個人的には好みです。【装丁】
◆表紙: ハンマートーンGA スノーホワイト 170kg
◆インク:スミと銀インクの二色刷り
◆本文用紙:コミック紙 ホワイト
◆遊び紙:アートドリーブ さざれ
(その他特殊加工)
・表紙左柱タイトル+キャラ名:箔押し加工(黒)
・表紙タイトル:エンボス加工
【印刷所】アクシス出版様
おわり
利休駒姫の、もうどこにもいけないやるせなさを起点として一緒になってしまった、がゆえに這い上がることも難しく、綺麗にオチをつけようとすればできるけどそれならあの場所で一緒になった、そのときの気持ちはどこにいけば? ていう残酷さとか。再臨クエストを超えて辿り着く先、利休駒姫がカルデアでのんびり笑ってるふたりだけの瞬間、利休がただ駒姫のために創り上げた時間の裏で、境界の地で練り練りされてたみなさんはどうしてるの とか、今回は描けないな~とうところはあったけど、恋々さんが見たかったやつ引っ提げてきてくれてすごかった…
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